社員インタビュー Staff Interview
運転グループ 井上公祐
勤続4年半
27歳
未経験で入社し運転グループに配属された井上さん。未経験ならではの苦労した話、得られたもの、どのようなキャリアプランを描いているかなどを聞いた。
細部まで目を配り、考えに考えてトラブルを防ぐ
まさかのCGデザイナーからの転身
――井上さんは入社前はどんなお仕事をされていたのですか。
東京でCGやコンピュータグラフィックスを作る会社に勤めていました。映像関係のデザイナーとして、皆さんも見たことがあるようなCMにも携わっていました。
――まったく違う職業ですが、どういうきっかけでエフオンに入ったのですか。
車体にエフバイオスと書いてある、燃料チップを運んでいるトラックは前からよく見かけていました。求人サイトでその会社が求人していることを知ったんです。それで調べてみたら地元の家から車で10分くらいだということで興味を持ちました。バイオマス発電のこともなんとなく聞いたことがあるという程度で、会社のことを調べてみてこんなことをやっているんだと思いました。
――まったくの未経験で運転グループに配属されて、覚えることがたくさんあったでしょうね。
高校は電子機械科でしたが、工業系のことはまったく忘れてCGの仕事をしていたので、まず物理学の専門用語という壁にぶち当たりました。圧力がどういう力を生み出すかということも全然わかりませんでした。前職ではパソコンのみの仕事ですから、外で点検作業を行っていても、自分が何を点検しているのか、これで合っているのか間違っているのかということも理解できていませんでした。慣れるのには時間がかかりましたね。
――どういうところに魅力を感じたのですか。
地元の白河では製造業の会社が多い中で、バイオマス発電は製品を作るのではなく、自分の住んでいる地域で使われる電気を作る仕事だということに魅力を感じました。周りの力になれる仕事なんだと。それまでやっていたデザイナーという仕事は、誰かを笑わせたり、
感動させたりすることはあっても、人の生活を支えているというものではなかったので、そういう仕事に携われたらいいなと思ったんです。
――今では全体が見えていると思いますがいかがでしょうか。
勤めて4年目ですが、基本的には発電所の中央操作室でモニターを見て、場内を点検をして。毎日同じようなことを繰り返しているようですが、でもそこに自分が知らないことや、経験したことのないトラブルが含まれています。そういうことに遭遇すると苦労しますし、どうすればいいか悩むこともありますが、ちゃんと人の支えにつながっているその仕事だということをぼんやり感じられるようになってきました。
――どんなトラブルがあるのでしょう。
さまざまな機械があって細かなトラブルがたくさん起こります。燃料である木質チップを運ぶコンベアが一部破損して燃料を送り出せなくなったり、燃料を燃やして蒸気に変えて発電させるのですが、蒸気が漏れて発電ができなくなったり、燃料を燃やすための送風機のモーターから異音が出て空気を送れなくなったり、というようなトラブルですね。対処としては別の機器に切り換えたりするのですが、それでも調子が良くない場合は、どういう操作ならトラブルを軽減できるかを考えなければなりません。
――計器の数値から異常を察知してその原因を探り、対処していくというような仕事ですか。
ディスプレイの数値を日々監視し、昨日と違わないか、1時間前と違わないかと確認します。また実際に現場を点検して、現場の機器の状況とディスプレイ表示が合っているかということをチェックします。
――ずっとモニターを見ながら座っている仕事に見えて、非常に頭を使いそうな仕事ですね。
そうですね。例えば気温が下がったり急に雨が降ったりといった自然現象によっても、発電所の状態はガラッと変わります。天気のほうを変えることはできませんから、どうしたら発電状態を良い状態に持っていけるか、予想していなかった雨でトラブルが発生したら、どうやって運用を安定化するかということを考えます。ひとつのトラブルが起こると、そこから連鎖して起こる別なトラブルも予想して動かなければなりません。
頭を使い、トラブルに対応していく。
――原因を突き止めて復旧したりすると楽しさを感じたりしますか。
人それぞれでしょうけど、私はトラブル復旧を楽しいと思ったことはないですね。どうにかしなければいけないという焦りしかありません。もしかしたらここがダメなんじゃないかとひらめいたときは、成功に近づいた感覚がありますが、基本的にはいつも必死です。
――予想の精度は年々上がってくるものですか。
上がってきているように思えます。ここがおかしいのでは、と思えるかどうかは経験ですね。やはり上長や他の発電所の経験者には、おそらくここがおかしいんだろうということがわかるので、経験を積むほどトラブル発見のきっかけをつかめるようになると思います。
――やりがいを感じるのはどんなときでしょうか。
一番やりがいを感じるのは、まだトラブルにはなっていない因子を発見して、どこがおかしいのかとあれこれ予想し、それがぴったり当てはまったときです。自分で考えて調べて勉強して出した結果によってトラブルを未然に防げると、やりがいを感じます。
発電所は使用期間が長くなると故障も増えるので、できるだけ傷つけずにボイラーを運用できる方法を試行錯誤して、それがうまく設備保全につながるとやりがいを感じます。
――天候がトラブルの要因になることも多いのでしょうか。
時期にもよりますが、例えば雷や地震は前ぶれなく急にドンと起きるので、そこは大きいかもしれないですね。他のことでも急に起こることはあります。やはり人間には想像しえないことも多いです。トラブルの半分はそういう部分だと思います。
――想像し得ないことが半分もあるのですね。
実際は半分以下だとは思いますが、そう思っていないと発見が遅れてしまうだろうと思っています。
考えることが好きな人の天職
――エフオン社内の雰囲気はどうですか?
採用されるかどうかは別として、挑戦や改善を提案しやすい会社です。会社のためにやってみたいこと、考えたいこと、省エネになることを熱意をもって提案すると、受け入れてもらえたりアドバイスをもらえたりする、とても温かい会社です。
――異常を見過ごしたりできないとなると、責任が重いですね。
長年点検を行ってきましたが、今のところ発電所に大きな損害が出たことはありません。自分では気づけなかったトラブルを先輩や夜勤の方が見つけてくれたときは、この人はこういうところを見ているんだ、自分はこういうところを見ていなかったから見過ごしてしまったんだ、と思って、真似するようにしています。
――チームプレイでもあるんですね。
そうですね。チームプレイの部分も大きいと思います。10名ほどで夜勤と日勤のシフトを組んでいて、2人か3人のタッグで仕事をしています。
――今後チャレンジしてみたいことは。
今度、新宮発電所に移る予定なのですが、一から発電所を経験できる良い機会だと思っています。私が白河の発電所に入ったときには、すでに安定して運転されている時期でしたから、新宮発電所の立ち上げにかかわるということは大きなチャレンジになると思います。
――ご自分で志願されたんですか。
所長から打診がありました。行けるとは思っていなかったので、良い方向に進んだと思ってうれしいです。
――最後に、求人に応募される方へのメッセージを。
この仕事は、工場勤務とは違って自分の考える力や知識が必要です。いつも同じ仕事でつまらないように見えるかもしれませんが、発電所の運転勤務は単純な流れ作業ではなく、日々同じことをやっていても考えていることはまったく違います。以前ここでトラブルがあったなとか、調子が悪かったなとか、毎日違うことを考えていますので、飽きることなどありませんし、考えることが好きな人にとっては天職でしょう。また、自分の仕事が人々のライフラインにつながっていると実感できるという点で、他の仕事とはまったく違うと思います。
インタビュー日時:2021年9月
運転グループ 井上公祐